一棟もの、区分所有に限らず建築物を所有する場合は短期の転売以外では建物のリフォームというのは避けて通れません。建物の外装、内装共一定の期間が経過した場合はそれなりに手を加えないといずれ雨漏り等の被害に遭い、物件を使用出来なくなってしまいます。リフォームをする場合は専門の業者に依頼するケースが殆どでしょうが、どのように業者を見つけて工事を発注すればいいでしょうか。お知り合いにリフォーム業者の方がいない場合は次の様な探し方が考えられます。①リフォーム会社比較サイトを利用する
マンションや戸建等の住宅をリフォームする場合、最近はリフォーム会社の比較サイトを利用する方が増えてきているようです。サイトを利用するメリット、デメリットはそれぞれありますが、リフォーム費用の相場をつかむにはお勧め出来ますので、お問い合わせをしてみるのも良いかと思います。
【メリット】
沢山の業者に問い合わせが一度に出来るのでリフォーム費用の相場をつかむには適しています。多くの業者が問い合わせ対応の専任者を配置しているので対応も丁寧にしてもらえます。また、対応や施工に問題があった場合はサイトの書き込みに厳しく書かれるので、それ相応の施工品質が確保される可能性が高いように思われます。リフォームの場合施工不良が有った場合の対応が一番問題になるので、その点を心配される場合は比較サイトを通じた業者の選別がいいかもしれません。
【デメリット】
比較サイトを利用する場合は大量のメールが届く事は覚悟しなければなりません。お断りのメールを入れえても暫くはメールが届くかもしれません。リフォーム費用については相場並みに落ち着くと思われますので、決して格安リフォームは求めてはいけません。比較サイトに掲載をしてメールを頻繁に送ってくる会社は従業員数も多くサイトの対応にコストをかけていますので、さほどリフォーム費用を安く出来ません。また、エンドユーザー向けの価格ですので、不動産会社からの発注やゼネコンからの発注の時の様に業者発注の価格になることは望めません。
また、比較サイトは基本的には個人ユーザー向けのため、店舗等の事業用の物件には対応が難しい場合もありますので、リフォーム内容に応じた業者の選別が必要となってきます。
②自分でネットで調べる
ネットでリフォーム業者を検索すると沢山の業者が出てきます。ネットで業者を見つける場合にどのような業者に見積もりを依頼するのがいいでしょうか。ネットで探す場合もそれなりの見つけ方が有りますのでご参考にしてもらえればと思います。リフォームはそれほど頻繁に行うことでも無いので価格と施工品質のバランスが取れた業者を選ばないと、施工後に後悔してしまうかもしれませんのでご注意下さい。
【広告の出し方】
一般論でいえばネットで「激安」を謳っている業者には依頼するべきではありません。その様な業者の広告は概ね派手目に作られていますが、派手目な広告でユーザーの目を引き付けてとりあえず安さを売りに受注することを前面に出してきます。
見積もり段階では安めに提示をして受注をしますが、工事を施工した段階で「追加工事が必要になったからあと〇〇万円必要です」など、当初の見積もりから大きくずれてしまうこともよく聞く話です。リフォーム工事の場合は確かに施工してみないと追加の費用が発生するか分からない面もありますので、追加費用の請求自体が悪いことではありませんが、激安を謳う業者の場合最初から追加費用の請求ありきで見積もりをしている可能性も有りますので注意が必要です。
それではどのようなホームページを作っている会社がいいでしょうか。それは激安を謳わず適正価格で勝負するというメッセージが見て取れる真面目な雰囲気の会社の方が無難かと思われます。施工時の写真が多く掲載されているのも安心出来ます。信頼が出来そうな会社の場合追加工事費の請求可能性が有る時は、しっかりと事前に説明しお客さまに納得してもらった上で受注をするはずです。そのような会社であれば施工の面でも安心して任せられる業者であるように思われます。
【会社の規模】
これも一般論ではありますが、従業員数の多い会社の方が少ない会社に比べ費用は高くなります。会社が大きくなるとそれだけコストもかかりますので仕方がないかもしれません。会社の規模が大きくなればそれだけ信用度も増してきますのでクレーム対応はしっかりしてもらえる可能性が出てきます。数百万円規模までの小規模リフォームであれば比較的小規模の会社でかつ信頼出来そうな会社が見つかれば費用面でも抑えられるかもしれません。
【施工写真】
リフォーム会社のホームページを検索した際は出来るだけ施工写真を多く載せている会社がお勧めです。施工前と施工後の状態の比較が分かるものが有ればその会社の施工技術がどの程度のレベルにあるか参考になります。
③家電量販店に依頼する
最近は殆ど全ての家電量販店が事業の多角化の一環としてリフォーム事業に算入しています。実際の施工は協力会社を募集して施工をさせていますので、元受けが家電量販店で下請けが地元の施工会社という流れになります。家電量販店の看板がありますので施工不要が有った場合はクレーム対応をしっかり行ってもらえる可能性が高いのがメリットではないかと思われます。
しかし注意が必要なのは、下請けの施工会社は仕事を多く受注出来る見返りに利益をかなりけずって施工をしているため、施工会社によっては早く次の現場に行きたいという気持ちが強まり、施工が若干手抜き工事に繋がりかねない場合も見受けられる点です。そのため発注者自身が施工内容をしっかり確認し施工不良が無いか注意しなければなりません。また、比較サイトの業者と同じく基本的には住宅のリフォームを行っているため、事業系の物件の場合にどこまで対応出来るかは問い合わせをしてみればいいでしょう。
④まとめ
リフォーム会社を探す方法は上記の様に色々とありますが、一番気を付つけなければいけない点はリフォーム工事は基本的には原価的にはどこもさほど変わりは無いため、価格と仕上がり具合は一定の相関関係にあるということです。最近は職人の数も減ってきているため工事現場では外国人、特にアジア、中東系の人達が多く働いています。その様な外国人を雇用している会社はコストは安くできますが、施工内容はどうしても不備が多くなってしまいます。
そのため、リフォーム費用を極端に値下げ交渉を行うことは決して行ってはいけません。自分の主張が通ったと思っても、塗料や部品等の材料の品質を知らないうちに下げられてしまうのが目に見えています。リフォーム会社が意図的に材料等の品質を落とそうとした場合にそれをお客さまの立場で見抜くのは至難の業で、まず現実的には不可能です。何社か見積もりを取って、ある程度の相場をつかんだら相場から多少安い程度の価格であれば気持ちよく発注した方が双方にとってメリットが大きいように思われます。価格の面以外ではアフターフォローの点や担当者との相性等を総合的に判断して安心して発注出来るリフォーム会社を見つけて下さい。