収益用不動産を探されている方は、まずポータルサイトで物件情報を閲覧しその物件を扱っている会社へ問い合わせをするのが一般的だと思われます。その際にその会社の紹介ページやホームページ等をご覧になる場合も多いかと思います。収益用の不動産を扱っている会社のキャッチコピーで一番目にするのが「弊社は不動産投資物件を専門に扱っている会社ですので・・・」というものです。
このようなキャッチコピーを記載している会社が何故危ないか、そのような会社と取引を控えた方が賢明な理由をご説明します。
①経営基盤が危うい会社が多い
「不動産投資専門の会社」を謳う会社が長期にわたり安定した経営をしている会社は非常に少ないのが実情です。事業規模も小さく、残念ながら潰れてしまう会社も多いです。実際にスルガ銀行問題に端を発し、収益物件に対する銀行の融資が慎重になって以降大変多くの「不動産投資専門の会社」が倒産してしまいました。
②参入障壁が低い
不動産には多くの分野がありますが、不動産会社が取り扱いを行う上で最も手軽に参入できるのが収益用の不動産の世界です。宅建業の免許を取得したその日からホームページ上で「不動産投資物件の専門の会社です!」とアピールし、不動産の専門知識が乏しくとも「利回りが○○%で高利回り!」「満室稼働中!」など簡単に広告が出来ます。しかし、このような「不動産投資の専門の会社」がそれ相応の専門知識を備え業務を行っているかと言えばかなり怪しいと言わざるを得ません。不動産会社にはこのような「専門会社」から毎日のようにFAXが届きますが、その内容からは「専門会社」が備えるべき高度な知識、情報などは皆無で、堅実に経営をしている不動産会社からはまともに相手にしてもらえないような会社がこのような「不動産投資の専門の会社」に多くあるのが実態です。
③コンプライアンスに問題がある会社が多い
この点もスルガ銀行問題で明らかになりましたが、融資審査に使用する書類を不動産会社が共謀し偽造をしたケースが多く有ったとのことです。もちろん現在はこの不正にかかわった多くの不動産会社の経営が行き詰っているようですが、被害にあった方からすれば大変な問題になってしまいました。
この問題は明らかな不法行為ですが、不法行為すれすれのことをして物件を購入させるケースもあるので注意が必要です。ある「不動産投資の専門の会社」は空室の多い自社保有のアパートを売る際に空室部分の家賃保証を2年つけて売却し、「2年間で空室となっている部屋の入居付を行い満室にしていきましょう!」とアピールし相場に比べ高額でそのアパートを売却したようですが、その後2年間空室の部屋は全く埋まらず家賃保証の期限が過ぎた2年後からはローン返済にも窮する状態に陥ってしまったという実例がありますが、似たような事例は多く有るようです。これは元々の家賃保証をした家賃の額が相場に比べ高額で常識で考えれば入居者は入らないのは分かるはすなのですが、想定家賃が高い分利回りも高くなり「高利回り物件」として売られた物件です。業者からすれば空室部分の2年分の家賃を負担してもそれをはるかに上回る売却益を確保して売却しており、物件管理の管理料も毎月入ってくるので、何ら問題がないのです。
このような偽の「高利回り物件」の購入被害に遇った方には大変お気の毒ですが、実際にこのような事例がありますので、収益物件を購入する際は十分注意が必要です。
④そもそも経営基盤の安定している会社は「不動産投資専門」を謳わない
不動産会社のホームページをご覧になれば会社の概要や社長挨拶、取り扱いをしている物件等を確認することが出来ます。ある程度の規模や業務品質を備えた会社のホームページで「不動産投資の専門の会社です!」とアピールしている会社は殆ど無いのがお分かり頂けると思います。上場企業の様な大手の不動産会社のホームページを見れば分かり易いですが、数多くの物件の分野の中の一つとして「不動産投資物件」という項目を掲げているだけで、不動産投資の専門の会社というようなキャッチコピーを見ることは有りません。
不動産業界の中ではこのような「不動産投資専門の会社」を謳っている会社は、経営基盤も弱く、コンプライアンスに問題のある会社も多いという共通認識もあることから、しっかりとした経営を行っている会社は「不動産投資物件の専門」などというキャッチコピーを使うことは殆どありません。業界内での自社の信用を落とすような行為なので、あくまでも収益用の不動産は数ある物件の中での一分野という扱いになっています。
この点を注意して不動産会社のホームページをご覧頂ければ会社の信用度もある程度推測できますので、ご参考にして下さい。